こんにちは。かわはら歯科医院です。
野々市市や金沢市でも、夏の暑さが年々厳しくなってきましたね。
熱中症対策やスポーツ時の水分補給として「スポーツドリンク」を飲む機会が増えてきます。体内の水分や電解質を素早く補給できるスポーツドリンクは、暑い季節の強い味方です。
しかし、歯の健康という観点から見ると、少し注意が必要な飲み物でもあります。
今回は「スポーツドリンクと虫歯の関係」についてご紹介します。
スポーツドリンクに含まれる“糖”と“酸”
スポーツドリンクの多くには、エネルギー源として糖分が含まれています。商品の栄養成分表示を見ると、500mlあたり30g以上の糖分が含まれているものも珍しくありません。これは、一般的な角砂糖(1個約3g)に換算すると10個分に相当します。また、口当たりをよくするために酸味料(クエン酸など)が加えられていることも多く、これが口の中を酸性に傾けます。
糖は虫歯菌(ミュータンス菌など)の大好物。口の中に糖が残っていると、虫歯菌が酸を作り出し、歯の表面のエナメル質を溶かし始めます。さらにスポーツドリンク自体も酸性のため、飲んだ直後から歯の表面は“酸攻撃”を受けることになります。つまり、スポーツドリンクは虫歯の原因となる「糖分」と、歯そのものを溶かす「酸」の両方を含んでいます。これらは、お口にとって二重のリスクとなるのです。
「ダラダラ飲み」は危険信号
スポーツドリンクによる虫歯のリスクを高める最大の原因は「ダラダラ飲み」です。のどが渇いたからと、長時間少しずつ飲み続けたり、口に含んで味わったりしていると、口の中が長時間酸性に保たれてしまいます。本来、唾液が酸を中和し、歯を守ってくれるのですが、頻繁に糖と酸が供給されると唾液の自浄作用が追いつきません。
熱中症対策のため、特に部活動中の学生さんや外回りの営業職の方などは、ついこまめに飲む習慣がつきがちです。思い当たる方もいらっしゃるかもしれません。習慣化するとリスクに気づきにくくなるため、日頃からのケアが大切です。
虫歯を予防する!スポーツドリンクを飲む時の注意点
もちろん、スポーツドリンクが全て悪いわけではありません。適切に利用すれば、夏場の体調管理に役立つ優れた飲み物です。以下のポイントに注意しましょう。
- 必要な時だけ飲む
運動中や大量に汗をかいた時に限定し、普段の水分補給は水やお茶にしましょう。 - 飲んだらうがいをする
飲み終わった後は、水で口をすすいで酸や糖を洗い流しましょう。可能なら歯磨きが理想的です。 - 短時間で飲みきる
ダラダラ飲まず、一度に飲んで口の中が酸性にさらされる時間を短くしましょう。 - 寝る前は控える
就寝中は唾液の分泌が減るため、寝る前に糖分を摂取すると虫歯のリスクが高まります。
まとめ
暑い夏、スポーツドリンクは上手に使えば大変便利な飲み物です。ただし、虫歯や歯の健康を考えると飲み方には注意が必要です。虫歯や歯周病を効果的に予防するためには、セルフケアに加えて、歯科医院でのプロフェッショナルケアが欠かせません。
かわはら歯科医院では、定期検診はもちろん、さまざまな器具を用いたお口のクリーニングも行っています。野々市市や金沢市にお住まいで、お口の健康を守りたい方、気になることがあればお気軽にお問い合わせください。お口の健康維持のお手伝いができれば幸いです。暑い夏も、歯の健康を意識して過ごしましょう。